俺の先輩
歴史上の人物であるため、先輩と呼んでいいのかわからないけど、連合艦隊司令長官の山本五十六さんは故郷の先輩である。
ついでに言えば、上杉謙信先輩や直江兼続先輩もいる。忘れてはいけない河井継之助先輩も。どの先輩も男ぶりが良すぎる。弱っちい自分とは比較にならない。同じ県出身なのになんでこんなに違うのか。侍階級と農民階級の違いなのか。自分の祖先はわからないけど。
山本五十六先輩は、河井継之助先輩を尊敬していたという。河井継之助先輩や直江兼続先輩は、上杉謙信先輩を尊敬していたそう。歴史とは受け継がれて行くもの。俺もちょっとは見習わないといけない。
苦しいこともあるだろう。
云い度いこともあるだろう。
不満なこともあるだろう。
腹の立つこともあるだろう。
泣き度いこともあるだろう。
これらをじつとこらえてゆくのが男の修行である。
辛くなったらこの言葉を思い出そう。きっと山本五十六先輩も辛いことは山ほどあったと思う。三国同盟に反対した結果、暗殺の危険性もあったくらい。大戦前、アメリカに行き、喫茶店でコーヒーを飲むときに大量に砂糖を入れて、「出来るだけアメリカの物資を使ってやるんだ」と言ったエピソードが好きだ。
余裕がありユーモアもあり、不倫やギャンブルもする。
最後はライトニングに待ち伏せされ、撃墜されてしまった。
人生は一度きり。珊瑚海海戦やミッドウェー海戦、南太平洋海戦のノンフィクションものを読んでいると身にしみてそのことを感じてしまう。
爆撃機や雷撃機のパイロットというのは自分の命を的に戦わなくてはならない。敵の戦闘機や対空砲火を掻い潜って捨て身で敵空母に攻撃を仕掛ける。攻撃後は即座に退避する。
その間、一発でも被弾したら生きては帰れない。運命との闘い。
それに比べたら自分の人生のなんと甘いことか。ちょっとしたことで傷ついて腹が立って。もっと強く生きなければ。
どこで何が起こるかはわからないもの。人生とはいつも危険と隣り合わせだ。やったことが、返ってくるのが人生というもの。もっと走るべきだしタイトにプレーすべきだ。全てが返ってくるのだからやらなくてはいけない。