最後の輝き

めんどくさがりな人が好きなことを書くための日記です。

俺もガリンペイロだ

一攫千金を夢見てアマゾンの奥地の金鉱山で土を掘りまくる人たち。荒くれ者のガリンペイロ。

そんなガリンペイロにまつわる話が日経ビジネスの記事に載っていた。

カルメン 金鉱山を買い、消えた飯場の女:日経ビジネス電子版

ある金鉱山にカルメンという名の美貌のクイジネーラがやってきた。ガリンペイロのほぼ全員が、すぐに彼女の虜となった。誰が最初に口説き落とすのか、男たちはいつになく真剣に競った。簡単に口説ける女ではなかったが、誰1人諦めなかった。

 カルメンは男の申し出を無視したり無碍に断ったりはしなかった。しかし、その気にさせる会話や軽いスキンシップには応じても、最後の一線を越えることは中々許さない。相手をその気にさせておきながら、焦らしに焦らしたのである。

 そして、男たちの欲望が沸点に達する直前、耳元でこう囁いた。

 「金10グラム(およそ4万円)なら、いいわ」

 それはアマゾンで高級娼婦と呼ばれる女たちの値段より遥かに高い金額だったが、値切ったり諦めたりする男は1人もいなかった。全員がカルメンの言い値を払った、すぐに、男たちは稼ぎの殆ど全てをカルメンにつぎ込むようになった。

 数年後、カルメンの所有する金は10キロ(4000万円)を超えた。そして、その資金で雇主から鉱山を買いとった。

 その日以来、経営者となったカルメンは、いくら金を積まれても、ガリンペイロに身体を許すことはなかった。

キャバクラ嬢や夜の店で働く女性はこんな感じなのだろう。色欲で男どもを釣り、その欲望を操って金を巻き上げる。時間をかけて。金を稼げばもう客の男など相手にしない。男はそんなことに気づく術もなく大切なはずの金を貢ぐ。気がつけばハマっていた女はもういない。懲りずにまた別の女を探しに行く。

ただしそんな人生でも、楽しめた分だけ幸せなのか。世の中にはその日を生きていくだけで精一杯の人たちもいる。他人によって突然人生を終えなければならない人もいる。なんて理不尽なんだ。

これから先の未来がどうなるかなんてわからない。一瞬の快楽を楽しみながら生きるのか、今の幸せを犠牲にしてでも「老後の2000万円」を貯めるために倹約に励むのか、どちらがいいかは完全に運次第。資産を溜めたところで大きな戦争が起きれば全てがリセットされる。

運命を受け入れるのは難しい。それでも引いたカードで闘うしかない。今の自分の手元にあるカードの中で最善を尽くす。最悪の中での最高を見つけ出す。小さな一歩を積み重ねる。

真面目に生きていても幸せになれるわけではない。欲望に忠実な人間はずるいと感じる時もある。その狭間でなんとか折り合いをつけて生きていく。