最後の輝き

めんどくさがりな人が好きなことを書くための日記です。

『働き方2.0vs4.0』を読んで。死ぬまで働くしかない未来

橘玲さんの新刊。『働き方2.0vs4.0』を読んだ。

この本を自分なりに要約すると、「これからの日本社会では、好きなことを仕事にして生涯現役で働く。それができない人間は嫌な仕事を死ぬまでやらされる残酷な未来が待っている。」ということになる。

そしておそらくは自分もこのまま何も準備をしなければ、嫌で退屈な仕事を死ぬまでやらされる側の人間になりそう。

誰もが薄々気づいているように、年功序列の賃金体系や終身雇用や定年制度はこの先、日本から消滅する。日本の企業には余剰な人間を置いておけるような体力も義理もない。

世界のビジネスパーソンフリーエージェント化(プロ化)しつつある。日本だけが古い雇用環境を継続できるわけがない。

そういった世界で起こっている事実を丁寧に紹介してくれている。それを事実として知るだけでも読む価値はある。単純に読んでいて新しい発見があり面白い。

ただし、この本には今の日本がいかに周回遅れな働き方をしているかは紹介されているものの、サラリーマンがどうやればフリーエージェント化できるのかについての方策は書かれていない。生存者バイアスのような成功事例は書いてあるが。好きなことや得意なことを突き詰めてニッチな仕事で稼ぐのがどれほど難しいことなのか。

著者はネガティブすぎるというけれど、平均年収が400万円台で地方には300万円台のところもあるというのに、自分が70歳になった時に300万円も稼げるとは到底思えない。

こころが遺伝するのだとしたらおそらく自分のご先祖様はとてもネガティブな方で、ネガティブだからこそこの血脈がここまで維持できたのだと思う。それをある日突然、もっとポジティブになって死ぬまで好きなことをやりなよ、と言われても素直に受け入れることはできない。好きなことをやることはできても収入がなければ生きていくことはできない。著者はそういった人々の将来を"残酷な未来"と呼んでいる。

以上が本の感想。

大多数のサラリーマンには残酷な未来しかないのだから、生活保護や年金、雇用保険国民健康保険は全廃して、国民1人あたり一律7万円支給するベーシックインカムにするしかないのではないか。7万円で足りない人はマニュアル化されたマックジョブで働く。健康に不安がある人は任意で保険に入る。そうやって自分の人生をカスタマイズしていく。結局は自己責任。

それが実現しないと予想するのなら、自らの市場価値を高めるべくスキルアップに励むか、投資でインカムゲインという名の不労所得を作るしかない。

今までは国や会社がある程度は守ってくれていた。自己責任論がまかり通るこれからの日本では、家族以外、誰も守ってくれることはない。本当に残酷な未来だ。