諸行無常。悲しさと新しいこと。
すべてのものごとは移り変わっていく。良くも悪くも。
いつも同じメンバーでいられるわけではない。いつかは仲が良かった人とも別々の道を行くときが来る。ずっと憧れていたあの人とも一生会えなくなるときが来る。尊敬していた人とも。
ずっと楽しいだけの時間が続くことはない。嬉しいことが永遠に続くわけもない。いつかは辛いことが待っている。悲しいこともある。
転勤やら引越しやらで何かの別れが来ると、必ず「諸行無常」を思い出してしまう。悲しいやら寂しいやら。
人に対してだけではない。今住んでいるアパート、近所のスーパー、コンビニ、コインランドリー、野良猫、駅、いろんな場所や思い出とも別れないといけない。
きっと何年後かにその土地に立ち寄ったとき、懐かしく感じるのだろうけど、「今の自分がいる場所」ではない気持ちの方が強くなっているんだと思う。「昔の自分が住んでいた場所」と思ってしまうことが悲しいからそもそも立ち寄らないかもしれない。
あの時、自分が住んでいたアパートにはもう他の誰かが住んでいる。そこは自分が帰る場所ではない。そう思うと、やっぱり寂しい気持ちの方が強い。
新しい場所でうまくやっていけるだろうか。後ろを振り返っても、待っている人は誰もいない。辛くても、悲しくても、泣きたくても、前に進んで行くしかない。当てがなくても進んでいけば何かにぶち当たるかもしれない。良いことだとは限らないけれども、悪いことがずっと続くわけでもない。生きることを投げ出さずに。